アランフェスギター誕生秘話

アランフェスギターについて投稿してみます。







先日、服部がかねてから親しくさせていただいているSIEの取締役営業部長の林健三さんを訪ね
アランフェスギターについて話を伺ってきました。
彼とは同い年でお互い業界に入って十何年、業界で駆け出しのころから腹を割って
朝まで酒を酌み交わしてきた間柄。
そんな昔からの付き合いもあり嬉しいことに私には惜しみなく語ってくれました。

写真は林健三さんとアランフェス720杉・ローズ640ミリ(定価¥210,000)

アランフェス720


いわゆる我々がよく知っているアランフェスギターが誕生したのは1998年。

「誕生」と書いていますが実は発売当初のカタログには「復活!アランフェスギター」と書いてあった。
(現在その現物はないのですが・・・)
なぜ復活?
実は知る人ぞ知る古い話だが30年位前なのだろうか、故河野賢氏監修のもと高峰ギターでアランフェスギターを製作していた。(もちろん構造は現在と違います)
しかし時代が経つにつれて生産されなくなってしまった。

アランフェスギター誕生の1年前の1997年(因みに私がこの業界に足を踏み入れた年)、
弦楽器の総発売元のSIEが発足。
そのSIEが発足当初から「音の優れた量産ギター」を目指し名古屋の老舗「松岡ギター」
と手を組んでSIEと松岡による共同開発がおこなわれた。
そのときにお手本となったのが名器マティアス・ダマン。
お手本のダマンはSIE社長がそのためにドイツで何百万円も投資して入手したのです。

SIE社長、林欣弘氏は世界を飛び回る弦楽器のディーラーなんです。
社長はかつてギターのコンクールでも優勝しギタリストを目指したが
その後業界に入り鋭い勘と豊富な経験により何百本ものクラシックギターの銘器を日本に紹介してきました。
20年程前にはサザビースでブリームが使用したブーシェを競り落とした人物。
ギター界で最も銘器を知る人といっても過言ではない。

そんな社長が究極のマティアス・ダマンを手に入れてアランフェスギターのモデルとしたのである。
お手本のダマン・・・当時業界入りしたばかりの私も弾かせて頂きました!
1990年作、杉・ハカランダ弦長660ミリ。
いまでもその強烈な音の印象は私の記憶に鮮明に残っている。

そんな凄いダマンをもとに図面を引き何度も試作品を作り誕生した楽器。
1998年の初入荷の際、その音のクオリティーの高さには感動しました!


現在、アランフェスギターはレギュラーの「松岡Mシリーズ」とは完全別工程で製作されている。
松岡ギターでは706(¥63,000)、708(¥84,000)、
710(¥105,000)、715(¥157,500)の各機種が製作されている。





2年程前より720(¥210,000)がリニューアルして発売された。
このギターは河野ギターで何十年も前に仕入れた表板を桜井正毅氏が表板を削り力木を貼り3ヶ月保管したのち
「高峰ギター」でさらに3ヶ月保管して製作される。
出来上がったギターは全て桜井氏が厳しく検品、微調整をおこなっている。

「高峰ギター」はギター製作への投資を惜しみなくおこなっている。
近年は世界最高水準機械設備を取り入れており、その投資額は何億円にも及んだという。

そんな桜井&高峰の採算度外視でつくられた720、昨日拝見させてもらいました。
弾けば上品な桜井ギターの雰囲気を醸し出し、その外観も美しく洗練されている!!!

近年、アジアの経済成長が著しくアランフェスギターが中国での販売台数が増えているという。
アランフェスギターはアジアのみならずアメリカ、ヨーロッパへ輸出もされている。

現在メディア・カームでは各機種取扱い中です。
詳しいことは御気軽にお問い合わせください。



記事:服部文厚

この記事へのコメント

Dolphy
2012年05月05日 08:00
昨年初めて、佐藤忠夫さんとお店に行った際、いろいろ弾いて聴かせていただいたものです。自分でも製作するし、手工ギターも所有してはいるのですが、60年代~70年代の量産ギターのコレクションをしています(ギターが発する時代の匂いがたまらなく好きです)。

その、旧アランフェスについてお尋ねしたいのですが。旧アランフェスは、河野賢氏が監修してタカミネで作っていたとも、河野製作所でOEMしていたとも聞いていますがどちらなのでしょうか。1973年のアランフェスNo.6、1978年製のNo.5を所有しています。たしかに河野ギターとそっくりの外観と音です。73年の6万円といったら当時の手工品にも劣らない値段かと思われ、いい音でなります。どんなことでも結構ですので、何か情報があったら教えていただけないでしょうか。ネット上にはほとんど情報がなく、検索でメディアカームのブログにたどり着きました。

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